2006年03月25日
飛躍するために大切なこと 「ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則」
飛躍する企業の経営者には、
第五水準のリーダーシップを持っているという。
それは、
謙虚で自慢したからず厳しい現実に目をつむらず、
それでいて最後に勝つという信念を持った人らしい。
たとえば、
成功について語るとき、
「それは幸運に恵まれたからです。」と窓の外を眺め、
失敗について語るとき、
「それは全て私のせいです。」と鏡の中の自分を見つめる。
経営者が語るセミナーとかに行くと面白い。
まだ志なかばのはずなのに成功者という位置づけで、
聴講者との間に上下関係をつくってしまっている。
こういうカリスマは飛躍させることはできないらしいです。
この話とリンクすることで、
いまでも時々思い出すことがある。
浪人時代に友達の家に遊びに行ったときだ。
そいつの父親はいわゆる成功を収めた人で、
気づいたら、3人で酒を飲んでいた。
彼は、目線をオイラに完全に落として、
「どんな勉強してるの?」とか
「どんなことしたいの?」とか
興味津々に聞いてくる。
オイラも生意気にも友達に話す感じのノリで敬語だけはつかって、
「どんなことしたいのかわかんないです。」とか言ったけど、
「そうか。」なんてニコニコしている。
「でも。君はうらやましいよ。だって何でも勉強できるんだぜ。」
って言われたとき、すごい嬉しかった。
単細胞なオイラはそれから真面目に勉強した。
そんなわずかな時間で
オイラを大学に進学させてくれた
と言っても過言ではない
あいつの親父。
やっぱり人格者は成功するんだなあ。
●DATA
ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則
ジェームズ・C. コリンズ (著)
全米で5年間にわたるベストセラーになり、百万部以上が売れた名著『ビジョナリーカンパニー』の共著者。スタンフォード大学経営学大学院教授を経て、現在はコロラド州ボールダーで経営研究所を主宰。企業と非営利団体の指導者に助言するコンサルタントとして活躍している
山岡 洋一 (翻訳)
出版社:日経BP出版センター
順位:1,671位
第1章 時代を超えた成功の法則―良好は偉大の敵
第2章 野心は会社のために―第五水準のリーダーシップ
第3章 だれをバスに乗せるか―最初に人を選び、その後に目標を選ぶ
第4章 最後にはかならず勝つ―厳しい現実を直視する
第5章 単純明快な戦略―針鼠の概念
第6章 人ではなく、システムを管理する―規律の文化
第7章 新技術にふりまわされない―促進剤としての技術
第8章 劇的な転換はゆっくり進む―弾み車と悪循環
第9章 ビジョナリー・カンパニーへの道
「『ビジョナリーカンパニー』は素晴らしい本だ。調査も素晴らしいし、文章も素晴らしい。でも、役に立たないんだ」。ジェームズ・C・コリンズは、マッキンゼーのビル・ミーハンにこう言われ、本書を執筆するに至った。『ビジョナリーカンパニー』 に登場した企業は最初から偉大だった。そうでない企業が偉大になるためにはどうすればいいのか…。本書はまさに、その点に答えている。
本書は、全米で100万部を超えた『ビジョナリーカンパニー』の続編である。だが、前著を読んでから本書を読んだ場合、本書に登場する「偉大な」企業があまりに地味なのに驚くかもしれない。厳正な定量、定性分析を経てフォーチュン500企業から選ばれた11社は、GEでもない、インテルでもない、P&Gでもない。アボット、サーキット・シティ、ファニーメイ、ジレット、キンバリー・クラーク、クローガー、ウェルズ・ファーゴ…顔ぶれだけをみればいかにも地味だが、株価を基準にしたこれらの企業の十数年にわたる業績は、GEやインテル、P&Gをもしのぐのである。
本書では、これらの偉大な企業11社に共通し、他の「飛躍したが持続しなかった」企業になかったさまざまな点を指摘していく。リーダーシップ、組織づくり、戦略、技術導入…、なかでも「第5水準の経営者」は、従来のリーダー像を覆すもので、目からうろこが落ちる。これによると、真に偉大なリーダーとは、アイアコッカでもウェルチでもない。マスコミに取り上げられ、華々しい印象のある経営者は、いわば「刈り取る人」であり、第5水準の経営者とは、いわば「種をまく人」のことなのである。種をまくリーダーは後継者を育て、自分が引退したあとも偉大な企業が持続するために見えない努力をする。結果として、彼らは株主に長期にわたって恩恵をもたらしているのである(事実、バフェットは11社のうちの何社かに投資していた)。
本書を読めば、企業を飛躍させる真のリーダーシップとは何か、企業の競争力を高める人材の質とは何かを考えさせられる。そして、経営とはやはり最後は「人」なのだと確認させられる。翻訳が突貫作業だったことをうかがわせるのは残念だが、エキサイティングで、得るところが多い。



